The Million Dollar Hotel
場所はロサンゼルス。ダウンタウンの街にあるアルホテル。
「ミリンオンダラーホテル」でのある愛の物語。
「ミリオンダラーホテル」には奇妙な住人ばかり住んでいた。
自分をビートルズのメンバーだと言う男ジェロニモだという男、
貴婦人だという老婆そして知的障害のある青年トムトム(ジェレミーデイビス)
トムトムは同じホテルに住むエロイーズ(ミラジョボビッチ)に
密かに思いを寄せていた。いつも見つめていた。
ある日同じくホテルの住人でありトムトムの親友のイジーが
突然死んでしまう。自殺なのか他殺なのか・・・。
その真相をつきとめるべく(メルギブソン)扮するFBI捜査官が
ホテルでの調査を始めたのだった。疑われるホテルの住人たち。
混乱状態の中、ホテルの住人たちは頭の弱いトムトムを犯人にしよう、と
提案したのだ。しかしエロイーズはソレに大反対した。
エロイーズもいつしか純真なトムトムに惹かれていたのだった。
イジーの死の真相を調べていくにつれ、近づいてゆく二人。
サスペンス要素を含みながらも、切なく純粋な愛が溢れる映画。
ラストの展開は心痛く、そして何よりも暖かい・・・。

-----The Million Dollar Hotelメモ-----
ヴィム・ヴェンダース監督、U2ボノ原作。
ボノの原案に目を通したヴィムは即決で
映画化にむけてキャスティング、手直し
を始める。脚本の虜になったそうです。
まずトムトムとゆう難しい役柄をこなせ
る俳優はいるのか?数々の知的障害者を
演じた名優は居るもののトムトムは一味
も二味も違う人物だったのです。
ただ一心不乱に純朴ではないし、人を愛
する事で苦しみます。トムトムは不思議な青年でどこか影があり、時には
怪しくも見えます。そしてソレラは「演じている」のではなく「そのもの」
でなければならなかった。少年でなければ。大人が夢見るスクリーンの少年
では無く、少年そのものの心を持っている、それがトムトムだといいます。
そしてヴィム監督は素晴らしい俳優に出会います。「ジェレミー・デイビス」

ジェレミーを紹介したのはヴィム監督の友人だったショーン・ペン。
トムトムのキャストに悩んでいたヴィム監督にショーンは「プライベート
ライアン」での演技が注目を浴びていたジェレミーを提案したのでした。
ヴィム監督はジェレミーの演技を見てトムトムは彼しか居ない!と確信。
そして相手役のエロイーズには「フィフスエレメント」以来注目していた
「ミラ・ジョボビッチ」を。ミラ自身もエロイーズは自分だと言った。
そしてFBI捜査官のスキナー役には名俳優「メル・ギブソン」。
主役をはれる程の役者が脇役??と思ったけれど、映画中メルギブソンの
スキナーは「ミリオンダラーホテル」をより一層深くしている重要人物です。
すべての登場人物が大役です。ソレをまじまじと実感する映画。
トムトムはダウンタウンに住む若者独特の服装をしていて常に重ね着です。
日本語が書かれたシャツを着ているシーンがありますが意味は無いようです。
何より特徴的なのが髪型。トムトムの散切り頭はインパクト大です。
どうやら彼はホテルの住人達に髪を切らせ、身体の刺繍なんかも掘ってもら
っているようで自分でやっているのではないそうです。トムトムらしい。
エロイーズは影で売春婦だとか言われていて親友イジーの死に大きく関わっ
ているとされて映画中とても重要な女性です。トムトムに気があるのか無い
のか分からない感じの仕草も神秘的で目を惹くし、服装、髪型、全てが妖精
のようで美しいです。そして映画全体が美しい色彩に包まれて、全てのシー
ンが芸術的で繊細です。素晴らしいキャスト、スタッフ、そして音楽によっ
て出来た芸術映画だと思います。原案を出したU2ボノを筆頭に本作だけのた
めに結成されたBAND。「THE MDH BAND」。ミリオンダラーホテルバンド。
ジャズ音楽を始め、どこまでも切ない曲ばかりです。
エロイーズ役のミラジョボビッチもボーカルとして参加しており、映画中の
エロイーズの心境を激しく緩やかに歌っています。映画のエンドロールに流
れる(サントラでは1曲目)「THE GROUND BENEATH HER FEET
(ザ・グランド・ビニース・ハー・フート)」はボノのが映画と同名の本から
「詩」を、そしてソレに曲を付けた新作です。そしてこの曲がまあイイの
なんのって!!!!真剣に語ってきたけど、この曲鼻血出ちゃうほどイイですよ。
訳をされた日本語歌詞があるので載せておきます。サントラに書かれています。


一生涯ぼくは彼女を崇拝してきた
彼女の黄金の声を、彼女の美しき鼓動を
彼女のおかげでみんなどんな気持ちになったかを
彼女のおかげでぼくがどれだけ生き生きしたかを
そして彼女の足もとの大地を
そして彼女の足もとの大地を


なのに今ぼくには何ひとつ確かに思えない
黒いものが白く、冷たいものは熱い
だってぼくが崇拝していたものが、ぼくの愛を盗み去ったのだ
それは彼女の足もとの大地だった
それは彼女の足もとの大地だった


あなたのその仄暗い道を楽々と辿って行くがいい
地の下を軽やかに進むがいい
ぼくもいつの日か、そこへ降りていく
あなたがみつかるまで休まない


どうかこの真実の愛を、どうかあなたを救い出させておくれ
二つの道が交わるところへあなたを導かせておくれ
おお、天の高みに甦っておいで
そこに唯一あるものは愛
そして彼女の足もとの大地
そして彼女の足もとの大地






-----ハナゲ的メモ-----
こんな映画見た事ない。こんな無償の愛感じた事ない。
駄目です。なんか書いててずっと涙目だよぶっちゃけ。ああー駄目。
この映画自体語ろうってのが無謀なんですけどね。見た人(そして
映画に呑まれてしまった人)なら分かってもらえると思うんですが、
語って見る映画では決してないです。人間では表現出来ない部分に
ジワジワくる映画で、まあそうゆう映画はいっぱいあると思うんですけど
「ミリオンダラーホテル」は特に困らせてくれます。
訳分かんない状態で涙ボロボロ出るし。でも悲しむ映画じゃない。
これは感動よりはるかに暖かいラブストーリーだと思います。深い。
ハナゲはあまり「深い映画」とゆうものが好きではないし、むしろ嫌い。
「悩ませてんじゃねーうんこたれー」て思っちゃうほうなので苦手です。
ラブストーリーが苦手な理由です。これはこれからも変わらないと思う。
ミニシアターとかアングラ、マイナー路線の映画って何か苦手なんです。
「くさっ」とか思って、とてもじゃないけど見てらんないです。なんか
めちゃめちゃカッコイイ映画とか、かっこよすぎて見てらんない(何それ)
そんな空気も確かに「ミリオンダラーホテル」には流れてるんですね。
でも映画に関わっている人たちが素晴らしいせいか、気取った雰囲気は
みじんも無いです。ただ真っ直ぐエロイーズを愛するトムトムがいるだけ。
「ぶつけられた」と思いました。悔しいやら愛しいやらで泣きました。


ミリオンダラーホテルサイト
*The Million Dollar Hotel*


-----更にもう一言-----
そしてこの映画は世界で唯一心から愛した人と見たんですね。
まあハナゲでも恋焦がれてた時期ぐらいあったんですよ(´P`)w
それもあってか、すごく思い入れが激しいんだと思います、たぶん。
ハナゲの恋バナで〆てすいまてん;;;